
毎日新聞 滋賀版(2009年10月24日(土))より
大津市が捕獲した迷い犬、猫などを収容する市動物愛護センター(同市仰木の里1)が、
8月末に稼働を開始してから約2カ月。建設前には地元の反対運動もあったが、
これまでトラブルもなく犬や猫の収容、保護にあたっている。
だがこの間、飼い主が見つからずに処分せざるを得なかった犬は11匹、猫は110匹に上った。
同センターは25日、「動物愛護デー」として初の地域交流イベントを開き、
改めて「責任を持った飼い方」を呼びかける。【稲生陽】
同センターは犬猫の飼い方として、(1)最期まで飼い続けること、(2)なるべく室内で飼うこと、
(3)避妊・去勢手術を受けさせること−−を指導している。
週1回開かれている講習を受けてから登録すれば、飼い主のいない犬猫の譲渡を受けることもできる。
この2カ月で持ち込まれた犬39匹のうち、飼い主に返還されたのは12匹。
だが、猫125匹のうち、返還できたのは1匹だけだ。捨てられたり、最初から飼い主がいない子猫が
大半を占めるが、ほとんどは引き取り手が見つからず薬殺処分された。
同センターは「ここに来る動物は少ないほうがいい。
考えなしに動物を飼ったり、かわいそうだからと自分に世話ができない命の繁殖を許すことは、
何の罪もない命を奪うことと同じだ」と話している。
イベントは午前10時から、同センターで。飼い方講習や映画「こいぬ物語」の上映など。
無料。問い合わせは同センター(077・574・4601)。
同センターに収容された後、新しい飼い主に巡り会えた犬もいる。
第1号となったシュシュ(メス、推定1歳)の飼い主、藤本ゆかりさん(46)=大津市堅田1=は、
今年1月に19歳で大往生を遂げた前の愛犬・ジョンを4年間、介護した。
「動物を飼うということは、どんな姿になっても最期までみとる覚悟が必要。
一番つらい部分を考えてから判断してほしい」と話す。
シュシュは小型犬のシーズー。目の病気にかかってさまよっていたところを収容された。
9月に藤本さんに引き取られたが、当初はおびえて目も合わさず、おりを用意すると進んで入っていったという。
夫の宣義さん(47)は「外を全く知らないようだ。ペットショップで売れ残り、病気になったから捨てられたのでは」。
今では病気も治り、ひざの上に乗って甘えてくる。
前に飼っていたジョンは、長女の果歩さん(13)が赤ん坊のころには、兄のように静かに見守っていたという。
だが4年前からは寝たきりになり、おむつや流動食が必要になった。
さらに、たんの吸引や、床ずれしないよう姿勢を変えてあげることも。
家族の生活は介護中心になり、藤本さんは「心の奥で死を願ったことも何度もあった」という。
ジョンは今年の正月明け、藤本さんの腕の中で息を引き取った。
最後はお礼をいうように一声ほえたという。安らかな死に顔だった。
「最初は子供代わり、数年したら兄弟、最後は親の世話をするような思い。
最初の楽しさだけでなく、大変な苦労や別れのつらさ、いろんなものを学べた」と振り返った。