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「山手ネコロジー」にもいろいろあった7月だった。
今も尾を引く大きな出来事は、ノワールがどうやら最後を迎えたらしいということ。
さっき懐中電灯を手に最後の餌場巡りをしてきた。明日からはもう行かない。
ネットの猫ともだちのHPで猫とのエピソードがマンガ仕立てになっているのを見つけた。
劇的だったノワールとのお別れの日のことはみちよさんと私の脳裡に鮮やかに刻み込まれているが、
なんとか絵ものがたりにして残したい。みちよさんが帰って来たら相談してみよう。
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9時過ぎにノワールの餌場に行く。懐中電灯で照らす。コンクリートの角に容器を置くようになる前は、
みちよさん、使い捨て容器に紐をつけた洗濯バサミを挟み、輪っかになった紐を左側の植え込みの枝に
引っ掛けていた。その枝は今も健在だ。その下の巾25センチくらいの地面は平らではなくかまぼこ型に
なっており、ノワールが食べ進むと容器を押してしまうのだろう。紐をつけたまま容器が道路側にはみ出て
いることがよくあった。
その場所ではあまりにも食べにくそうだし、使い捨て容器というのも軽くて食べにくいだろうと、我が家の
猫たちと同じステンレス製の食器を使うようになった。同じ物をみちよさんにもプレゼントした。
そうしてノワールは夜目にもキラリと光る銀色のその容器が自分の食器だということを覚えて、誰が持って
行っても自分の夕ご飯だということを知っていた。
そんなあれこれをまた思い出しながらトボトボと帰る。5号棟、6号棟はどこを見てもどこを通っても
ノワールの思い出だらけだ。
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今2時前だがノワールの餌場に行って来た。7月いっぱいは日参するつもりだ。
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午後10時半頃、団地に戻って来たが、ノワールの餌場を回る。ノワールは幸せだったとみんな言ってくれるが、
「could be happier」(もっと幸せになっても良かったのではないか)という思いがどうしても残る。
私が関ってから2年半。(みちよさんは4年弱)短かすぎる。
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帰宅後メールチェックをしていると今夜はノワールの餌場に行かなかったことを思い出した。
そこで、「新黒」用にレトルトを1個持って家を出た。ノワールの餌場を懐中電灯で照らす。
電池を替えたばかりなのでよく見える。いつも容器を置いていたコーナーに蜘蛛の巣が薄くかかって
いるのがはっきり見えた。否応無くノワールの不在を突きつけられたように感じる。
帰りにもノワールの餌場を照らしてみる。すると小型犬の糞らしいものが道路っぷちにこびり付いている。
掃除しない飼い主がまだいるのだなあ。ここはノワールの餌場なのに。蜘蛛の巣が張り、犬糞がある。
主の不在は明らかだ。無性に悲しくなる。
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ノワールの餌場経由「プリンス猫階段」へ。ノワールは専用の餌場にはいないが「プリンス猫階段」へ
行けば居るんじゃないかという悲しい錯覚に捉われる。とぼとぼと辿り着き、車の間を覗くと「新黒」が
待機していた。ニャ〜オに近い声を出しているので、喜んで甘えているのかと思ったらシャーッ!と
吹いているのだった。本当にノワールが乗り移ったかのようだ。
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ノワールの餌場参りはまだ続けている。何だか一昨日の月曜日にやけに悲しくなって家にいても
餌場へ行っても涙がこぼれた。もしかしたらノワールはあれから3週間近く生きて一昨日の月曜日に
命の灯が消えたのではないかと思う。
みちよさんが明日から裾野市の実家に行くという。今までは、だからノワールの餌やりを頼む、
ということだった。それがもう習慣となっていた。何も知らぬ息子が7時ごろになると「ノワールの
餌やりは?」と訊く。出かけていてもノワールが待っているからと6時半〜7時までには必ず帰るように
していた。無理な場合も誰かに頼んでいた。
今考えても不思議な事に、それが面倒だと思ったことがなかった。まるで当然の義務のようだった。
だからその義務から解放されてもちっとも嬉しくない。只々喪失感ばかりが広がる。
10年間ほど疎遠になっていたみちよさんと私とをこんなにも結びつけたのはノワールへの餌やりだった。
去年あたりからケータイメールを始めるようになったみちよさんとのやり取りもノワールのことが中心だった。
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今日は9時にノワールの餌場回りだけチェックしに行った。餌場は本当に暗い。
最後の数日間だけ懐中電灯で照らしたのでノワールの惨状に息を飲んだが、それまでは全く分からなかった。
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「山手ネコロジー」猫たち名簿を作り直したりしているうちに時間を忘れてしまい、すっかり夜中に
なってしまったが、ノワールの餌場に行ってみる。みちよさんと示し合わせて行くことはなくなったが、
それぞれが毎日見に行っている。
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8時40分くらいだがノワールの餌場を回る。
5月11日に陽光の中でのノワールを始めて見てその惨状にショックを受けた芝生を横目で見ながら
「プリンス猫階段」を通りかかる。ここでコロちゃんや「新黒」などに給餌しているとノワールもやって来た
ものだった。最初から端っこの黒い軽自動車の下にいたこともよくあった。つい1ヶ月ほど前のことだ。
コロちゃんはそのままS内家の車の下にいる。安心しきっているようだ。再びノワールの餌場を通る。
涙こそこぼさなくなったがまだまだ悲しい。
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7時半を過ぎてから、みちよさんとアクトへ行く。アクトへの道は、ノワールが最後に辿った道なので
2人とも胸が詰まる。三・七日くらいになれば「猫の森」へ花束と療法食を投げ入れようと考えていたが、
まだまだ三・七日くらいではそんな気になれそうもないので秋まで延期することにした。
アクトから戻り、人気のない管理人住居の庭を覗いてみる。
クウちゃん(母黒猫)もチイちゃん(息子黒猫)の影も形もない。それからノワールの餌場へ行きチェック。
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| 2002年07月17日(水) |
ユウキ改め『伸二』のお迎えに |
バテて夕食後、寝てしまったが10時を過ぎるとやはりノワールの餌場を覗きに行かずにはいられない。
餌場の前にしゃがんで目をこらすと、ここでこんな風にしていた、こっちを向いてじーっとしていたとか、
つい先日の思い出が甦り悲しくなる。
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午後8時過ぎにみちよさんが来てくれた。管理事務所がよく見える住居の知人からの知らせでは、
やはり管理人さんは母猫を連れて行ったようだとのこと。息子猫の姿も見えないらしい。その行き帰りに
みちよさんはノワールの餌場をチェック。
私も午後10時半に行ってみる。今日で丁度2週間だ。最後の健気な日々のことは脳裡に焼き付いて
離れないが「ひにち薬」というのだろうか、涙ぐむことはあっても溢れ出て止まらないということはなくなった。
本当は全く食べられないのに、私たちが一生懸命、食べさせようとしている努力に応えて懸命に食べようと
してくれたのではないか。前日にも私がしつこく容器を顔の前に置くので何度も口をつけてくれた。
もう飲み込む力がなくなり口やあごに付くだけだったのだと今では思う。
最後の日にはみちよさんが手のひらにフードを乗せ食べさせようとしたので、口をつけてくれた。
私がバスタオルを取りに帰っている間、みちよさんは階段を2段降り、ノワールを抱きかかえるようにして
撫でさすっていると喉をゴロゴロ鳴らしたという。大好きだったみちよさんに最後にそうしてもらって本当に
良かった。6月には、みちよさん、ずーっといわき市に行っていてノワールは寂しい思いをしていたに違いない。
そのころ餌場横の階段に座ってみちよ家の方をじーっと見ていた姿を何度か目撃している。
が、もう思い残す事はなかったと思う。S内さんが言ってくれているように、良い猫生だったと思いたい。
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| 2002年07月15日(月) |
台風6号に続き7号接近 |
今日もやはりノワールの餌場を覗きに行く。台風も近いので長居はせず帰宅する。
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9時過ぎになり、みちよさんとノワールの餌場をチェックしがてら「プリンス猫階段」へ行く。
7時ごろ車で通った時には駐車場に寝転がっていたコロちゃんは見当たらない。「新黒」もいなかった。
ノワールの餌場横の階段に座ってしばらく話し込む。台風の影響か、砂埃が巻き起こり頭からかぶってしまった。
ゴキブリも這っている。ほうほうの体で引き上げるともう11時近かった。
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息子と外出していて我が家近くまで帰り着いたのは10時15分。息子と二人でノワールの餌場を回って帰る。
息子も植え込みを覗き込んでいる。これまでしばしば息子がノワールに餌容器を運び、引き上げてくれた。
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Pハイツの管理人さん夫婦が急遽7月15日に転勤してしまうことになった。そこで奥さんが半分内猫として
可愛がっていた黒猫母子のことが気になる。今夜、みちよさんとT水さんと3人でお別れの挨拶かたがた、
猫たちのことを聞いてみる。奥さんにべったりの母猫は心配そうにウロウロしている。母猫だけでも新しい
職場(大和市のマンションの住み込み管理人)に連れていけないか明日、聞いてみるそうだ。
息子猫の方は、もし置いていかれたらT水さんがベランダで給餌するつもりになっているが、そのことは今夜は
言わなかった。次の管理人夫婦には、猫嫌いだとはっきり宣言されたそうだ。その母猫クウちゃんはとても
艶やかな黒猫で尻尾も真っ直ぐな美猫だ。息子猫チイちゃんもそっくりの美猫だそうだ。ノワールとのあまりの
違いに愕然とする。みちよさんはもう涙ぐんでいる。
そんなことで時間が経ってしまい、ノワールの餌場をチェックしに行ったのはもう午後10時をかなり過ぎていた。
勿論いないが、まだまだチェックを中止する気にはなれない。
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午後8時過ぎ、習慣でフラフラと6号棟前へ行く。ノワールの餌場をチェックするだけだから5分とかからない。
戻りかけ、みちよさん宅の前を通りかかると彼女が5階から降りてくる気配がする。彼女も8時頃になると
ソワソワしてしまい、つい降りて来てしまうのだそうだ。9時過ぎには「プリンス猫階段」へ行くから、
何かあればみちよさんに電話する、と言っておいた。
今日は久々に「山手猫階段」へも行こうと思い、缶詰を11個、開けずに用意する。
ノワールの餌場→「プリンス猫階段」へ。コロちゃんはおらず若いカップルが階段上で喋っている。
水はきれい。カリカリがトレイに入っている。「新黒」はいない。「山手猫階段」へ向かおうとして、缶切りを
忘れたことに気付いた。仕方なく戻り、ノワールの餌場前にコロコロキャリーを置いておく。
家に戻りまた出ようとして玄関に降りたところで電話が鳴った。話していると、みちよさんがやって来た。
彼女も9時過ぎに降りて来て「プリンス猫階段」へ行ったそうだが入れ違いになったと思い、うちにやって
来たらしい。一緒にノワールの餌場まで行き、そこで別れる。
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現在10時20分だが、岐阜県内に水害被害をもたらした台風6号はこれから首都圏を直撃しそうだ。
7時前に駅前に買い物に行っていたみちよさんが我が家に立ち寄った。少々話をした後、一応ノワールの
餌場を見に行く。雨はそれほど降っていない。
9時前になってノワールの餌場から「プリンス猫階段」へ行く。さすがにコロちゃんもいないと思ったら、
ライトがS内さんの車の下にいるコロちゃんを捉えた。車止めの後ろの狭いスペースにはまり込んでいる。
すぐ上に車の後部がかぶさっており雨はかなりしのげそうだ。それでも滝のような雨が降ったらどうなのだろう?
これまで大雨の時にはコロちゃんを見かけないことが多かったので、きっとどこか雨露をしのげる場所があるの
だろうと思っていたがそうではないのか?
家に戻ってほどなくみちよさんがやって来た。9時頃のチェックは私ひとりでやる!と言ったのに、気にした
みちよさんが窓の下を覗くと私が通りかかったそうだ。5階から呼びかけたというが雨の音で聞こえなかった。
そこで手作りのおいなりさんを持って来てくれたのだった。
上がってもらってまたもや思い出話をする。彼女は今日、ノワールとお別れした道を通って郵便局へ行ったのだが、
最後に見かけた場所に差しかかるとしゃくりあげて泣いてしまい通行人もあって恥ずかしかったと言っていた。
昨日、松本清張スペシャルを録画しておいて、日記を書き終えてから見た。するとノワールをきれいにしたような
体型の黒猫が狂言回しに使われており、何を見ても今はノワールと結びつけてしまうと痛感。その話をすると
みちよさんも昨夜、そのサスペンスの終盤を見ており、やはり黒猫といえばたちまちノワールに結び付けてしまうと
言っていた。
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日も暮れた午後7時40分頃、キャリーを持って6号棟へ行き、みちよ家前、餌場への階段、餌場をチェックする。
みちよ家階段下にキャリーを置いていったん戻る。
8時半になってみちよさんがやって来た。「プリンス猫階段」にも行って来たそうだ。コロちゃんがいたが固定の
餌やりさんがいるので餌はあげなかったとのこと。
玄関内、上がりがまちに座り込んで話していると、我が家のシルビア、ミーシャ、トムが代わる代わるやって来て
みちよさんに甘える。
9時になり再びノワール・チェックに出かける。「プリンス猫階段」へ行くとコロちゃんさえもいない。
お水はたっぷり入っておりきれいだ。すると7号棟の方から「新黒」が現れた。いつもは逆の方から現れるのに。
森からやって来たのか?
そして昨日にも増してシャーシャー吹いている。ライトを当ててよく見ると、目は大きく見開いているが目やにが
ひどい。目薬は差せないので犬山動物病院の院長に相談してみよう。持参した缶詰フードをあげる。
「グフッ!」なんて音がするのでまたライトを当ててみると、いつもは食べるのがすごく遅いのに今日はガツガツ
食べたせいで咽んでしまったようだ。特別おいしかったか、或いは我々がいるので焦ってたくさんほお張り過ぎた
のか?それだと可哀相なので、慌てて立ち去ることにする。
「関心持つなよ!ファーシャー!」と盛んに吹く今日の「新黒」の態度はまるで初期のノワールが乗り移ったかの
ようだった。
6号棟に戻り、階段に座って今夜も少し待機する。もうかなり諦めがついてきたが思い出になるにはまだまだだ。
そもそもの馴れ初めを思い起こす。「プリンス猫階段」を通ることも殆どなく野良猫に毎日餌やりをするような
きっかけはまるでなかった。ほぼ4年前、見知らぬ他人だった初代餌やり人K沼さんに、通りすがりのみちよさんが
ノワールへの給餌を無理やりに押し付けられた形だった。そのうちK沼さんはすっかり引いてしまい、
やがてみちよさんひとりでは毎日欠かさず給餌することが困難になってきた。が、みちよさんの友人たちは
誰も餌やりを引き受けようとはしなかった。
そこでみちよさんとは殆ど疎遠になりかかっていた私にお鉢が回ってきた。エーッ?!という感じだったが、
その猫の余りのみすぼらしさに否も応もなく引き受けてしまった。が、K沼さんの「あの猫は餌さえもらえれば
野良でいることが幸せなんですッ!」という自信に満ちた断言も我々を呪縛した。野良猫たちの不幸が相次いだ
時期でもあったことから、引き取れもしないのだから中途半端に懐かせないようにしようと話し合っていた。
それに他家の軒下でコソコソ餌やりをしているのだ。隠れるようにして餌容器だけ置いてくる毎日だった。
懐きもしなかった。それでも年月と共に可愛く不憫に思う気持ちが増してきてはいた。が、それもこちらの一方的な
片思いだと思い込んでいた。それは、はっきり間違いだったと今にして思い知る。前日までは触る事も出来なかった
のに、最後の日に見せた愛くるしい態度は何だったんだ?!とみちよさんと2人、まだ呆然としている。
「誇り高き野良猫」とか「野良猫の矜持」とか、エッセイストなどがそれらしい文章をよく書いている。
野良猫についてそれほど関心もなくよく知らなかった私も、そんな文章に影響されていたようだ。
が、そうではないとはっきり思い知らせてくれたのが「山手猫」たちだった。彼等は餌さえ貰えればそれでいいのでは
ない、愛情が欲しい、撫でて欲しい、遊んで欲しいとはっきり要求する。そして警戒心いっぱいだった新参猫もすぐに
同じようなゴロニャン猫に変身する。野良猫として生まれたとしても家猫はイリオモテヤマネコではないのだ。
人間に頼り暖かい愛情を必要とする、人間との共生動物なのだ。コンパニオン・アニマルなのだ。
そういう猫たちを野生の熊や狸などと混同して「餌をやるから増えるのだ」とか非難するのは全く間違っている。
野生動物にしても人間が住処と餌を奪っておいて危険だから駆除などと人間の驕りも甚だしい。
7号棟の駐車場下の「猫の森」も近年建売住宅が3軒建ち、面積がグッと狭まった。
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| 2002年07月08日(月) |
ノワールが姿を消してから今日で6日目 |
10行ほど書いたところで、昨日と同じくデスクの上で寝そべっていた飼い猫ロミ(13歳)がいきなり
キーボードにしなだれかかり左端の「Esc」キーを押してしまったらしい。一瞬にしてすべて消えてしまった。
ノワールのことばかり書いているのでやきもちを妬いたか。
ノワールといえば、みちよさんも私も5日目の昨日が一番悲しかった。というのはこれまで何度か姿を
現さないことがあったが、最長4日間だった。5月31日にもそうだったが、5日目には何事もなかったように
元気な姿を見せてくれていた。
だからある意味、賭けるような祈るような気持ちで昨日、5日目を迎えたのだったが、その願いも空しく
ノワールは現れなかった。すると今後再び現れる可能性は限りなくゼロに近い。悲しみながらも諦めの
気持ちが広がる。涙も昨日の10分の1以下になった。
保護猫ユウキの里親さんになる6号棟のS村さん宅は建物の端っこだ。1メートルと離れずに隣の建物が
建っている。その間の狭い通路を猫たち(朝夕のみ外へ出してもらっている飼い猫たちも)が朝夕、
続々と通り抜け、向かいの駐車場を通って森の中へ消えていくのだそうだ。そこでS村家では、
その狭い通路を「猫道」と呼んでいるそうだ。森の中で猫の集会でもあるのかと常々訝っているとか。
そんな話は初耳だ。彼女はノワールのことも、「もはや黒猫といえないほど赤茶けてボロボロの猫」として
知っていた。そこで今夜は8時過ぎにみちよさんと一緒に7号棟脇、奥の竹薮を覗きに行ってみた。
その横の駐車場の奥にも行って見た。
みちよ家の隣人(5階)が今朝、白ソックスの黒猫(新黒か)が森から駐車場へ出て来るのを目撃したそうだ。
7月2日、ノワールとお別れした場所はその森の下の道路だ。森までは直線距離で20メートルくらいのものだ。
あの後ノワールは森に入り、もしかしたら、今も森の一角でじーっと蹲っているのか?そして他の猫たちに
見守られているのかもしれない。「象の墓場」ならぬ「猫の墓場」がそこにあるのかも、などとファンタジーに
すぎないかもしれないが、そんなことを話し合う。
そうは言ったものの、一旦帰宅し9時半を過ぎてからまた出なおす。家猫の手付かずのフードを持って
「プリンス猫階段」へ行ってみると「新黒」はおらず、ウォーキングのおばさん3人が階段上でお喋りしている。
道路に出ていたコロちゃんを駐車場内に戻し、小桃の駐車場へ行く。小桃も「新黒」もいない。
諦めて帰りかけ、道路から下を覗くと「新黒」がいる!戻って給餌。ファーッ!とやけに非友好的だ。
ラップ包みを開くと、わざわざ少しづつくわえては数段離れて食べている。ラップは光るから苦手なのか?
ラップを取り除くと安心してそこで食べ始めた。してみると猫除けにキラキラ光るペットボトルを置くというのは
効果があるようだ。
6号棟まで戻りみちよさんと合流。また階段に腰を下ろす。あえて思い出話はせず世間話をする。
引き上げて帰宅すると午後11時だった。
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S内さんからのメール:
『ノアールはあれ以来、姿をみせないようですね。
S井さんとみちよさんのノアールへの思いは、本当にほとんど身内に寄せる愛情そのものです。
物言わぬ猫であっても、お二人の愛情はしっかり感じていたはずです。
6月25日、車の下に箱ずわりしていました。すぐ口もとにえさをおきましたが、ちらりと見ただけでした。
娘を駅まで送って帰ってくると、餌には口をつけていないようでしたので、かがみ込んで餌をもっと口元まで
よせましたが食べようとしませんでした。
その日は、シヤーッと言うこともなくただ静かにそこにいるという感じでした。
外見からは、不幸そのもののように見えるノアールも、暖かい愛に包まれて生涯を生きたのだと思ってください。
S井さんたちがいて、そして何人かの彼の暮しに関わった人間が存在したのですから。
彼が、弱った体を押してまでも最後に会いに餌場に姿を現したのは、彼も愛を伝えたかったのだと思いますよ。』
ノワールは今日も現れないが、↑S内さんがメールに書いてくれているように、全くその通りだと思う。
思うが、不憫の塊だった彼のことをあれこれ考えるとみちよさんも私も今はまだ混乱と悲しみから立ち直れない。
今夜も2人して別々の時間帯に探しに行ったりした後、最終的に、階段の隅っこに座りノワールの出現を
待ちながら、最後の頃の日々を思い起こし涙にくれる。後悔すればキリがないが、6月25日、朝にはS内さんに
最後のご挨拶をし、夜には我々にきっと助けを求めてきたのだった。それから1週間、健気にも姿を見せ続けて
くれたが我々はお別れがそんなにも近くに迫っていたことに気付かなかった。
食べずに只じっとしていた彼を置き去りにして立ち去っていた。
捕獲して病院に連れて行くことは以前から彼には無理だと決め付けていたせいもあり、
只、何とか食べさせようとそればかり考えて焦っていた。
最後の7月2日でさえ、瀕死の状態では全くなかった。トコトコと100メートルも歩き、草むらで伏せたり、
ゴミ置き場で鼻をヒクヒクさせ尻尾を振り、初めて愛嬌たっぷりの姿を見せてくれた。
今夜もたまらずその道を辿ってみた。最後にノワールを見たアパートの住人が歩いて来た。
何か訊いてみたい衝動に駆られたが我慢した。戻って来る途中、管理事務所前の道路に黒猫が
座っているような幻覚が。その少し前にもみちよさんの階段前、5号棟の芝生を黒猫が歩いているような
気がして目をこらしたが幻覚のようだった。
みちよさんと2人、悲しい時は悲しもう、と開き直っている。
今日も「プリンス猫階段」で餌を貰いながら、シャーッと吹く「新黒」にノワールの面影がかぶさる。
「新黒」の目もかなりの涙目だ。コロちゃんと違って目薬は差せない。が、ノワールの例から学ばねば。
懐かないから、怯えるからそっとしておこうなどとは思わずに、必要なら捕獲器ででも捕獲して治療を受けさせよう。
ノワールについてはそんなことをすれば2度と餌場に現れないのではないか、と我々はずーっと危惧して
いたのだが、そんなことはない。餌は食べたいのだから必ず現れるはずだ。K沼さんが5〜6年前餌やりを
始めた頃とは明らかにノワールの態度は違ってきていたはずだ。今ならそう思う。
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午後8時になった。ノワールのためのキャリーとフードを持ってみちよさん宅階段入口に集合。
30分ばかり待機するがノワールは現れず収穫なし。一旦帰宅。
午後9時半にまた出直し、「プリンス猫階段」へ行ってみる。コロちゃんがS内さんの車の前に転がっていた。
水は満タンだったが一応替えておく。「新黒」はいなかったので、缶詰フードは置かず、6号棟に引き返す。
みちよさんと階段の隅に座って又しても涙ながらにノワールの思い出話をしつつ1時間ばかり待機。
間の悪いことに2人して涙を拭っているところにみちよさんのお嬢さんと隣人が通りかかった。
私はその場をそそくさと退散し、「プリンス猫階段」へ。コロちゃんはそのまま。「新黒」はいない。
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| 2002年07月05日(金) |
ノワールを想って1日中涙する |
どうして何が悲しいのだか、まだ冷静に分析できないがノワールのことを考えただけで涙がボロボロ出て来る。
「山手ネコロジー」名義のキャッシュカードを受取りに銀行へ出かけた。帰りに「プリンス猫階段」へ行くと、コロちゃんが
車の間のスペースで寝ている。勿論ノワールはいない。そこから6号棟へ向かいながらつい先だっての雨の日、
そこでノワールと出合ったことを思い出しまた涙ぐむ。
何だか落ち着かず、7月2日(火)の夜、ノワールが辿った道を通り、DIYの「アクト」まで行ってみることにした。
テニスコート前の駐車場の隅の雑草が生い茂っているところをチェック。そちらへ行きかけてノワールは戻って来たの
だった。
午後8時過ぎに6号棟前をチェックしつつノワールの餌場を通って「プリンス猫階段」へ行く。
「新黒」はおらずカリカリはこんもり。コロちゃんが寛いでいた。
小桃の駐車場へ向かうともう道路の端から小桃が出て来てニャーニャー鳴いている。
ぐるりと回ってお墓のそばでたっぷりの缶詰を与える。「新黒」はいない。
来た道を逆に辿るが、「プリンス猫階段」には「新黒」はおらず、ノワールの餌場にはノワールはいない。
午後9時半にみちよさんと待ち合わせをしたが、少し前に行く。又「プリンス猫階段」へ行くと今度は「新黒」がいた。
あんまり近づくとシャーッ!なんて遠慮がちに吹いている。「新黒」もやはり涙目だ。たっぷりの缶詰を与える。
6号棟に戻ってみちよさんと合流する。
彼女も今日はずーっと泣いている。昨夜も胸を詰まらせながら別れたのだった。2日(火)のノワールの初めてづくしの
行動が、果たしてお別れに来たのか、助けを求めていたのか2人とも未だに計りかねている。
我々が予想していたノワールとの別れは、弱った素振りは全然見せず、前日までモリモリ食べていたのが、
或る日パッタリと来なくなる、というようなものだった。そういうことがこれまで何回があり、最高4日間不在だった
ことがある。それが1週間経っても1ヶ月経っても2度と現れなくなるとすれば、訝りながらも静かに諦めていったと思う。
それが今回のように、弱りながら、食べられなくなってからも何とか姿を見せ続け、最後にはまるで別猫のように
撫でさせてヨロヨロと去って行くなんて考えもしなかった。みちよさんのことを彼なりの愛情表現で誰よりも慕っていた。
このところ留守勝ちのみちよさんだったが、最後の10日間はノワールに姿を見せてあげることが出来て良かった。
我々が夜の餌やりを始めて以来、ノワールにすっぽかされることはあっても我々が彼をすっぽかしたことは1度も
なかった。(手違いで給餌時間が午後11時を過ぎてしまい、慌てて行って見るとムッとしながらもノワールが待って
いたこともあった。)
わざと懐かせる努力をしなかったことや、いろいろ思い起こすと後悔の念が湧いてきたり、
2人とも同じように混乱している。
6号棟の階段の隅に腰を降ろし、涙を拭いながらいろいろと話をする。午後11時になり、
今日は諦めて引き上げることにする。
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| 2002年07月04日(木) |
やはりノワールは現れない |
どうにも気になって深夜午前3時ごろ、ノワールの餌場に行き、餌トレイを引き上げて来た。蟻がいっぱいたかって
いたが、すべて振り払ってよく見ると、餌の端っこが1センチ四方くらい抉り取られている。もしかしてノワールが
来て舐め取ったのか?残念ながらそんな風ではなく、アイスクリーム用の木のスプーンでちょこっと掬い取ったような
形跡なのだ。
午前中や、午後など「プリンス猫階段」を通りかかった時に、ノワールが芝生の上や車の下で寝ているのを目撃した
ことがある。そこで、今日夕方5時頃、「プリンス猫階段」へ行ってみた。勿論ノワールはおらずコロちゃんが無防備に
ひっくり返って眠っていた。カリカリを少々あげるとコロちゃんは喜んで食べた。S内さんの水容器にはいっぱい水が
入っていたが、一応取り替えておく。そうだ、日中、ノワールを見かけていないか、S内さんに電話して訊いてみよう。
(と思っていたら、以心伝心、夜になって彼女からメールが入り、25日の朝、カリカリをあげたが食べなかった。
それがノワールを見かけた最後だった、とのこと。)
午後9時にみちよさん宅階段前に集合。ノワールはいない。昨日と同じように、テニスコート横の道を下ってみる。
勿論いない。戻って6号棟前、ノワールの餌場を通り、「プリンス猫階段」へ。コロちゃんしかいない。
今日は缶詰タッパーを持参して来ているので、小桃の駐車場へみちよさんと一緒に行く。
我々はまた「プリンス猫階段」へ戻る。勿論、ノワールはいない。餌場にもいない。置き餌はしなかった。明日からは、
ウロウロ探しまわるのは止めて、ノワールが大好きなみちよさん宅階段下で、しばらく時を過ごすことにする。
解散して一旦家に戻ったものの、未練がましく、すぐまた10時半頃、覗きに行ってみた。12時にも。深夜にまた
行ってみるつもりだ。
一昨日、やはりお礼とお別れに来たのだという気がする。夜の暗闇の中でしか見ていなかったのでフカフカした
黒猫になっているものだとばかり思っていた。が、5月のある朝、「プリンス猫階段」近くで寛いでいたノワールの
あまりのみすぼらしさに愕然とした。そしてたった2週間前、食後に身体をボリボリ掻きながら5号棟→4号棟へと
ゆっくり歩き去っていくノワールを見て、ふとお別れが近いような胸騒ぎを覚えた。
決して懐かない根っからの野良猫だったノワールのこと、みちよさんと私は常々、或る日突然、姿を現さなくなり、
それがお別れになるのだとばかり思っていた。それが、殆ど食べられなくなってから10日間、挙動不審ながら毎日、
なんとか顔を見せてくれていた。甘え方を知らず懐かないとばかり思っていたが、精一杯の感謝を表してくれたの
だろう。今は「プリンス猫階段」近くの生まれ育った竹薮、雑木林の中で人知れずじーっとしているのかも知れない。
かねてからそういう別れをするだろうと話し合っていた。それはそれでいいと思う。思わざるをえない。
昨日は、猛獣用手袋で捕獲するんだ!と意気込んでいたが、時間が経つにつれ段々意気込みもしぼんできた。
そんな手袋で無理やり押さえつけると、ショック死してしまうのではないか?気持ちは乱れて定まらない。
毎夜、餌容器を置いてくるだけで、その他の時間、ノワールがどこで何をしているのか全然知らなかった。
どうやら6号棟の餌場を中心に200メートル四方くらいが生活圏だったようだ。餌場も「プリンス猫階段」でS内さん、
M本夫妻から、6号棟脇で我々から、管理人住居の勝手口に置いてあるカリカリの大鍋と、少なくとも3箇所あった。
既に「思い出話」めいた語り口になり涙も滲み出てくるが、勿論、これからまだまだ毎日、餌と捕獲の用意をして
みちよさんとスタンバイするつもりだ。
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昨夜遅く、犬山動物病院の院長からノワール用のアイムスの缶詰を取りに来るようにとのメールが入っていた。
今日は犬山動物病院は休診日だが、昨日のノワールの様子を告げ、ノワールを捕獲して夜遅く病院へ搬入しても
良いか尋ねるメールを送った。
実際、ノワールの捕獲には逡巡するものがあった。我々が関ってきた4年間、決して触らせず、ファーッ!シャーッ!
しか言ったことのなかったノワールが、昨日初めてみちよさんの手から食べたのだ。そして身体を撫でさせたのだ。
それなら捕まえて病院へ連れて行ってやってほしい、と大阪の猫ともだちが言う。
昨日、タオルにくるまれてみちよさんに抱っこされるようであれば、あの時間でも犬山動物病院の院長に頼み込み、
搬入しただろう。そうしたい気持ちでいっぱいだった。が、ヨロヨロと逃げて腰を抜かしたように見えた。とにかく触らせた
のも初めてのことだし恐怖心を植え付けたくなくて我々はひたすらうろたえて泣いていた。
ともかくも今日は捕獲する決心をして、犬山動物病院の院長にメールした後、電話してみた。食べないし、
箱のようなものには絶対入らないノワールのこと、捕獲器は使えない。軍手を嵌めて洗濯ネットを被せるつもりだと
言うと院長は、それではダメだ、厚いバスタオルをすっぽり被せて猛獣用?手袋で押さえつけてキャリーに入れる
のが良い、その手袋を取りに来いと言う。
夕方、行ってみると休診日だというのに患者は何組もいる。アイムスの缶詰を1缶頂き、猛獣用?手袋をお借りする。
この手袋、鉛が入っているとかで、ものすごく重い。こんなものを嵌めていては手の自由が利かず逃げられてしまう
のではないか?が、軍手では噛み付かれてひるんでいる隙に逃げられるかも。噛まれても引っ掻かれても押さえつける
手を緩めずにいれば成功する確率は高い。いや、失敗は許されない。最初で最後の捕獲だ。気を引き締める。
9時にみちよさんと6号棟通路で落ち合う。ノワールはどこにもいない。キャリー、バスタオル、手袋、餌、懐中電灯を
持ち、昨日ノワールが辿った道を行ってみることにした。テニスコート前の駐車場にも、いたち川向こうのアパートの
ワゴン車の下にもいない。元来た道を振り返ると、道路に黒っぽい猫の影が!側に白猫の姿も!慌てて駆け寄り
ライトを当てると全然違うキジトラだった。キジトラも白猫も傍らの家の庭に飛び込む。そこの飼い猫か?
とぼとぼと引き返す。また10時に集まることにして一旦帰宅する。
10時少し前に行ってウロウロしてみるがノワールはいない。念のためみちよさんと「プリンス猫階段」へ行ってみる。
コロちゃんしかいなかった。S内さんの水容器は健在だった。よかった。キョロキョロしていると「新黒」が駆け寄って来た。
お腹がぺちゃんこだ。餌がもらえるものと期待して目を輝かせている。「新黒」には餌を持って来るから待ってなさい
と言い聞かせてその場を去る。
一応ノワールの餌場に用意したフードを置いておくことにする。今日は諦めてまた明日トライしてみることにする。
犬山動物病院に電話を入れておく。
冷蔵庫から缶詰フードのタッパーを出して急いで「プリンス猫階段」に戻る。「新黒」は待っていた。適当に与えて
小桃の駐車場に行く。小桃はすぐに鳴きながら出て来た。缶詰を少々置いて「山手猫階段」へ向かう。
帰りにノワールの餌場を通り、容器を覗いてみるが全く手付かずだ。もしかしたら、彼は昨日お別れに来たのか?
その前1週間くらいの挙動も変だった。みちよさんは明け方、ノワールの夢ばかり見るそうだ。いろんな思いが
去来するが、今は深く考えずしばらくは捕獲を目指そう。何日間も現れなくてもひょっこり現れることだってある。
これまでも最高4日間現れなかったことがあった。
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| 2002年07月02日(火) |
ノワールの姿に涙する |
午後8時頃、みちよさんとノワールの餌場で落ち合う。が、ノワールはいない。
蒸し暑い今夜はゴキブリや蟻が跳梁跋扈していそうなので置き餌はせず、出直すことにする。
9時半に出発してまずノワールの餌場へ。すると6号棟の階段の端っこにノワールが座っている。
みちよさんもやって来た。餌場まで行かず(後から思うと既にその時、以前のように餌場までトットコ駆けてゆく力が
なかったのかも)その場でノワールの顔の前に容器を置いてみる。興味を示さない。一般食の缶詰を少々みちよさんの
手のひらに置く。ノワールはみちよさんの手から少しだけそのフードを食べた。
そんなことはこの4年間で初めてだ。容器に顔を入れるが食べられないようだ。ノワールの右目から涙がつーっと
流れ出て容器の中に落ちる(私の母が臨終の時、意識不明だったにも拘わらず涙をポロリとこぼした34年前のことが
ふいに思い出された)。やはり食べられずにじーっとしている。みちよさんがティッシュで涙を拭こうとする。
嫌がらないというので、私もそっと頬を撫でてみる。全然嫌がらない。ティッシュではなく指先で目やにを拭き取る。
ネバネバしている。喉も撫でてみるが喉の辺りがへこんでいる。頭も身体も撫でてみる。背骨が浮き出てものすごく
痩せている。つい10日くらい前まではしっかり食べていたのに。あのころでも急激に痩せてきてはいた。
S内さんも「すごく痩せている」と言っていた。
2日前は頭を触ると飛び退いていたのに・・あまりの不憫さに涙もろいみちよさんはもう涙ポロポロだ。
それを見て私も涙が止まらない。こびりついた目やにを取っても嫌がらない。みちよさんにノワールを見ててもらって、
バスタオル、ウェットティッシュなどを取りに戻る。
バスタオルにノワールをくるんで抱き上げてみようと、まずノワールにバスタオルをかける。じっとしている。
持ち上げようとすると数歩逃げた。後ろ足がもつれてヨタヨタしている。腰が抜けたようになっている。
小学校脇の通路の真ん中に座り込んだ。そこで撫でながら、みちよさんと二人、どうしよう、どうしようと途方にくれる。
無理やり捕まえることは可能にも思える。が、そんなことをすれば我々の信頼関係はきっとお終いだ。
(後から考えると、この時がきっとノワール保護の最初で最後のチャンスだったに違いない)
さっきと違って撫でていても身体を硬くしている。タオルをかぶせて持ち上げようとしたからだ。
このまま通路の真ん中でじーっとしていられても、どうしたらいいか分からない、困ったと我々が思い始めたことを
察したかのようにノワールはヨロヨロと立ち上がり、歩き始めた。どこへ行くのかと思わず二人で後を追う。
細い細い後ろ脚はもつれ歩みはゆっくりだ。時々我々を案内するかのように振り返る。真上から見ると本当に
痩せたことがよく分かる。6号棟の階段を降り、テニスコートの方へ。
下り坂になっているからか、急にノワールの歩みが速くなる。一瞬でも元気を取り戻したのかと希望的観測を持つ。
テニスコート向かい側の駐車場に入り、一旦、奥の方へ行きかけたが、我々が従いて来ていることに気付いたかの
ように戻って来て草むらに座り込む。おしっこでもしているのかと思ったが、しばらくすると立ち上がり、いたち川の方へ
桜井橋を渡り、橋沿いのゴミ置き場に座り込む。
また立ち上がってカラス除けネットの中の生ゴミ(まだ前夜だというのにここではもうゴミを置いている人が何人もいる)
に鼻をヒクヒクさせて尻尾を振っている。そんな可愛い姿も初めて見た。そしてその向かい側のアパート前に
停まっているワゴン車の下にもぐりこみ香箱を作った。もう我々の方を向かずじーっとして目を閉じている。
今夜は十分だからもう行け、とでもいうような姿だった。
後ろ髪を引かれつつも一晩中そこにいるわけにも行かない。追跡はもう止めて戻る。明日、また出て来てくれることを
期待する。が、ゴミ置き場で鼻をヒクヒクさせていたということは、どうなんだろう。カニカマのようなものがいいのだろうか?
口内炎を患っているようだし、そんなものを用意しても食べられないだろう。こうやって段々弱っていくのかと思うと
みちよさんも私も涙が止まらなくなった。
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| 2002年07月01日(月) |
ノワール少々持ち直すが食欲不振 |
午後8時を大分過ぎてから、みちよさんと連絡し合ってノワールの餌場に向かう。
5号棟から6号棟へのプレイロットを通過中、突然、足元にノワールが現れ、先導するように6号棟への階段の方へ
消えて行った。私も階段を降り、ノワールの姿を探すが見えない。みちよさんと餌場に行って見るが勿論いない。
ノワールの餌場前、S小学校脇の通路で話していると、具合が悪くて早めに帰宅するとみちよさんにたった今
メールを寄越した彼女のお嬢さんがやって来た。そこで少し話していると、今度は鍵を持たずに帰宅した夫が、
大方私はノワールの餌場にいるだろうと見当をつけてやってきた。
結局ノワールは来ないので、置き餌はせず後でもう一度出直すことにした。みちよさん宅への階段前で別れ、
振り向くとそこにノワールが!脇の自転車置き場で給餌する。顔を入れてピチャピチャ音を立てているが、
余りはかどっていないようだ。抗生物質と療法食100grばかりを入れてきたのだが、昨日の食べっぷりとは
打って変わって食欲不振だ。みちよさんは体調の悪いお嬢さんの世話をするため帰宅する。
懐中電灯でよく照らしてみると、濁った目やにの塊は取れて昨日までよりずい分ましに見える。
これまでも今日も足取りは軽く弱っているという感じはしない。くしゃみもしていたが、ひところよりは軽減したようだ。
気温が上がってきたからか。
道路の真ん中に座ったので、その前に容器を置くとまた顔を入れている。人が通るので、餌場への階段を
上って行った。追うと餌場にスタンバイする。習慣になっているようだ。容器を置くと覗き込むだけでやはり
もう食べない。じーっとして蹲っている。鼻や口の周りにフードが付いている。(後から思えば、口をつけてももう
飲み込むことはできかなったのだろう。ティッシュでちょっとづつ拭い去ろうとしたが、ゴシゴシやるわけには
いかないのできれいには取れない。しばらく見守ったが、「又、明日ね」と言って立ち去る。
10時も過ぎてから「プリンス猫階段」へ行く。途中のノワールの餌場にはもう彼はいなかった。
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